北条小学校の5年生が、株式会社ダスキン(掃除教育カリキュラム)と連携して「北条ピカピカ大作戦」を実施しています。
掃除をとおしてプロから学び、自分たちができることを考え、よりよい学校生活を営むためのSTEAM提案型の授業に取り組んでいます。
単元の流れ
- どうして掃除をするのか問いを立てる
- 北条小学校の掃除を振り返り、問題点を出しあう
- 掃除のプロ(ダスキン)に学び、正しい掃除の仕方について調べる
- 自分たちで考えた正しい掃除の仕方をダスキンにプレゼンし、アドバイスをもらう
- 理想の掃除方法についてまとめ、発表に向けて準備する
- 学校生活をよりよくするために、掃除のあり方について伝え、残す方法を考え、全校生徒にアウトプットする
- アウトプット例
- ポスターや説明書
- 映像作成
- 合言葉&キャッチコピー
- キャラクター
- 絵本・紙芝居
- アウトプット例
授業内容
1時間目:どうして掃除をするのだろう
始めに単元の主な流れを確認し、どうして掃除をするのかについて班ごとに考えました。
掃除をする主な理由
- 健康に過ごすため
- 学習に最適な環境をつくり出すため
- 自身の掃除のスキルを身に付けるため
そのほかにも、掃除が心育てにつながっていたり、将来の仕事につながっていると考えたりしているなど、前向きな発言が多く出ました。
まとめ
掃除を行うのは、
『けんこう』『ながもち』『かいてき』
の3つの点から大切であるということを確認。
2時間目:現在の掃除の問題点について考えよう
学習計画を立てるにあたり、まず子ども達が感じている「現在の課題」について確認をしあいました。
子どもたち達から出た意見を『方法』『用具』『態度・友達』『時間』の4つに分類。
これらについて考え、改善していくことで理想の掃除の在り方を作り上げていくことを確認しました。
また、子どもたちは日常的に掃除を行っていますが、掃除の仕方一つひとつについて、曖昧なまま行っていた現状に気付きました。
そのため、正しい掃除方法を身に付けたいと考えている児童も多くいました。
3時間目:掃除用具を正しく使おう
ダスキンプログラムの動画を確認しながら、掃除用具の使い方について確認。
特に机の拭き方や、雑巾の絞り方について、多くの児童が新たな発見をしていました。
また、学習を進めるなかで、次のような疑問が生まれたため、次回以降に活用できるようにメモをしておくように伝えました。
掃除に仕方についての疑問
- おさえばきでは、カーペットは難しいのではないか
- 角のごみはどのようにして取ればよいのか
- 机の間が狭いと、十分に拭き取れないのではないか
雑巾の絞り方については、「絞り歌」があり、ダスキンの方に実際に歌いながら教えていただけたことも、大きな経験となりました。
教えていただいたことを早速実践している様子が、多くの児童に見られました。
4~6時間目:学校掃除の正しい手順を調べ、伝えよう(グループ別)
本学習の目的は、掃除手順を開発するだけではなく、他学年へ伝えることです。
そのため、「考え、同級生に伝える経験」を通し、次のようなことも体感したいと考えています。
体感しておきたいこと
- 伝えることの難しさ
- 細かな点まで理解を深めることで、人に伝えやすくなること
発表は、ダスキンの方にリモートで見ていただきました。
また、掃除方法の理解について十分ではないところや分からないところなどを挙げ、ダスキンの方に質問する内容としてまとめていくことを確認しました。
7・8時間目 :ゲストティーチャーに質問&考えた掃除方法についてアドバイスをもらおう
基本的には、ダスキンの方に聞きたい内容をまとめておき、質問を繰り返す時間となりました。
質問を通して、疑問点が分かりやすくなっただけではなく、「汚れに合わせた掃除方法が必要になること」が理解できていったようにも感じました。
子どもたちが考えた主な質問は次のとおり。
ゲストティーチャーへの主な質問
- 手洗い場
- 外側を掃除したいが、水で洗うためポタポタ垂れてしまう。何を使い、どのように掃除したらいいか
- トイレ
- 便器を磨くときにかける時間は、どの程度が適切か
- 黒板
- ぬれた雑巾で拭くときに、どの程度の頻度で拭くのが適切か
- ワークスペース ※カーペットの床のこと
- 掃き掃除など、雑巾絞り以外で使える掃除の歌はあるか
- インターロッキング ※アスファルトのこと
- すき間にある固いこけや・小さな草の根っこ・土などは、取った方がいいのか。取る場合は、どのように取るといいか
- 窓
- ダスキンの窓掃除の方法のなかで、窓を下から上に拭いた方がよいというのがあった。掃除は上から下が基本のなか、なぜ窓は下から上に拭くのがよいのか
- 教室・階段
- 雑巾はどれくらい絞る方がよいのか
- つくえ・たな
- えんぴつあとや強い汚れ(すみ・ペン)の消し方が分からない
- 体育館
- 時間の使い方 。広い場所を掃除するとき、ダスキンの方が心がけていることや役割分担の仕方を教えてほしい
- げた箱
- 靴の入っている部分のほうきの使い方について
- 図書コーナー
- ヘアブラシを掃除に使うと、カーペットがきれいになるという表記を見つけた。本当か
9時間目:理想の掃除方法について考え、まとめよう
これまでの学習をもとに、掃除方法についてまとめました。
分担区について詳しくなる一方で、ほかの掃除分担区についての共有方法については課題があります。
ひとまず、各分担区で代表をひとり決め、その児童がまとめたものを算数教室に掲示しておくこととしました。
10時間目:掃除のあり方について、伝え、残す方法を考えよう
これまでの学習を振り返ったのち、どのようにすれば伝え残していくことができるかを考え、次の4つの係に分かれることにしました。
伝え・残す方法ために考えた係
- ポスターや説明書を作る係(掃除の仕方・方法)
- 映像作成係(プロの方に聞いた!Q&A)
- 合言葉&キャッチコピー
- キャラクター係
- 絵本・紙芝居係(どうして掃除をするのか)
また、それぞれの係に、必ず取り入れる内容についても確認しました。
参考
- 掃除教育カリキュラム (ダスキン)
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