令和7年9月27日(土)、加西市民会館文化ホールを会場に『西本智実 Music Edutainment in 加西 part3』を開催しました。世界的なマエストロである西本智実さんのプロデュースにより、音楽をさまざまな視点から感じ、学びを深める体験型授業が行われました。
3回目の開催となる今年度は、西本マエストロはじめ13名のイルミナートフィル、メンバーのみなさんにお越しいただき、合奏曲とリトミックを指導していただきました。また、県立北条高等学校吹奏楽部、加西市吹奏楽団に演奏補助と楽器使用でご協力いただきました。
日程等
- 期 日:令和7年9月27日(土)
- 会 場:加西市民会館文化ホール
- 参加者:加西市立富合小学校 5年生と6年生:56名
加西市立北条東小学校 6年生:58名 - 協 力:県立北条高等学校吹奏楽部:16名
加西市吹奏楽団 - 講 師:
- 西本智実さん(イルミナート芸術監督・指揮者)
- 平島 勉さん(指揮・指導)
- 大力小百合さん(リトミックバレエ指導)
- 田口 縁さん(幼児教育専門家 進行補佐)
- イルミナートフィルハーモニーオーケストラ:9名
- 練習曲:
- アフリカン・シンフォニー 作曲:Van McCoy
- 走れ、シベリア鉄道 作曲:平島勉
目的
- 学びや体験で培った感性で演奏曲と向き合う。(BASE)
- よりよい音をめざして試行錯誤を繰り返す。(STEAM)
- 演奏を通して新しい世界への視野を広げる。(GLOBAL)
内容等
思い浮かぶ情景を絵や音で表してみよう
ワークショップの日までに、小学生はそれぞれの曲から思い浮かぶ風景を絵で描いてみました。また、音が伝わる様子を絵で表してみました。
《音の絵》
ワークショップでは、風や水などの自然の音を管楽器や打楽器を使って表現してもらいました。



《走れ、シベリア鉄道》
みんなで絵を鑑賞したあとに、作曲者の平島さんから曲から思い浮かぶ情景や曲を作ったときの思いを話していただきました。西本マエストロからは、極寒のシベリアの空気の冷たさについてお話を聞きました。






《アフリカン・シンフォニー》
アフリカン・シンフォニーは、子どもたちに灼熱の大地を想像させたようです。登場する動物はゾウやライオン、キリンなど、映画や動物園でおなじみの動物たちでした。西本マエストロから、動物の鳴き声を楽器で表現できることを教えてもらいました。





楽器ごとに分かれてパート指導



参加者全員で合奏練習



公開ワークショップ:音楽を科学的な視点でとらえる講話
午後の後半は児童と保護者、地域関係者を交えて、音楽を科学的な視点でとらえる講話を西本マエストロから聞きました。音の圧力や倍音、楽器紹介、Chladni(クラドニ)図形で音を目で見る、メトロノームの同期現象など、興味深いお話が盛りだくさんでした。



身体を整える:リトミック
成果発表の前に、大力さんとアフリカン・シンフォニーの演奏に合わせて、からだを動かしました。保護者のみなさんも一緒にからだを動かして、ホールの中が一体になっていました。

成果発表
成果発表は子どもたちの描いた絵と演奏のコラボレーションでした。
《走れ、シベリア鉄道》

小学生全員がソプラノリコーダーで2重奏をし、吹奏楽を重ねました。透き通った音から、シベリアの空気を感じることができました。
《アフリカン・シンフォニー》



最後は、西本マエストロの指揮でアフリカン・シンフォニーを演奏しました。イントロの太鼓が刻むリズムに、管楽器による動物の鳴き声が重なり、ホールは広大なサバンナの空気に満たされました。マエストロの指揮を真剣なまなざしで見つめ音を五感で感じて、これまでに経験したことがない演奏ができました。そして、140人が奏でる音楽が融合し、会場の中にいたすべての人の心に伝わる最高の演奏ができました。
児童の感想
- きれいな音を鳴らせば、いい音楽だと思っていました。今は、ストーリーやドラマを自分で考えて、音の形を想像して考えて、その気持ちで奏でるのが音楽だと変わりました。
- 一人ひとりが出す音の形が違うことに気づきました。これまでは、周りの音が大きくて自分の音が聞こえなくなって不安だったけど、指揮を見て演奏をすると、今までで一番いい音の形ができたと思います。もっともっといい音を出せるようにがんばりたいです。
- すごく緊張しておなかが痛かったです。でも、西本さんとみんなの音の迫力で、おなかが痛いのを忘れるくらい楽しくなりました。音楽は好きだけど、もっと好きになりました。
- うしろから動物の鳴き声が聞こえて、リアルですごかったです。西本さんが大きく体を動かしてくれて、わかりやすかったです。2つの小学校が一体となって演奏できて楽しかったです。出会える機会があれば、出会いたいです。
- リコーダーを「トゥ-」や「ウ-」でやってみたら、初めと全然違う音が出たのですごいと思いました。
- 最後、ピタッと音が止まって、最後の音が出るところがみんなと合って、いい演奏になりました。最後の盛り上がりが最高です。140人でやる音楽は、すごく迫力がありました。
- 西本さんの指揮は、音を大きくするときは手を上げて、小さくするときは手を下に下げるなど、とても分かりやすかったです。平島さんには、音がハッキリとなる吹き方を教わりました。西本さんと平島さんが大好きになりました。
