加西市の抱える課題を、インターン先の事業所と協働して解決する探究学習のプログラムとして加西市内の中学校4校で実施。
今回は、加西市の企業や加西市役所の”インターン生”という設定のもと、職場での活動という従来の活動に加え、地域社会の課題解決(グループワークやプレゼンテーション)に取り組みました。
実施時期および実施中学校
- 10月3日(月)~10日7日(金) 加西市立泉中学校(77名)
- 11月7日(月)~11月11日(金) 加西市立加西中学校(55名)
- 11月7日(月)~11月11日(金) 加西市立北条中学校(122名)
- 11月8日(火)~11月16日(水) 加西市立善防中学校(36名)
インターン先事業所
【企業】
- 株式会社JTB
- 伊東電機株式会社
- 株式会社千石
- ヨドプレ株式会社
- ハリマ紙器印刷工業株式会社
- 株式会社椿本チエイン
- JA兵庫みらい
【市関係】
- 加西市きてみて住んで課
- 加西市産業振興課
- 兵庫県立農林水産技術総合センター
- 神戸大学大学院農学研究科附属 食資源教育研究センター
- 加西市立図書館
「トライやるウィーク」の目的・背景
- 加西市が目指す「郷土を愛し 豊かに未来を拓く 人づくり」のための加西STEAMの取り組みの一環として、探究型の学びを取り入れた「トライやるウィーク」を実施しました。
- 社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難となってきており、資質・能力を身につける探究学習の重要性が高まっている
- 地域の課題を克服しようと努力する大人たちの営みを目の当たりにして、その姿に共感し、それを越えるためのアイデアやたくましさをもった子どもたちを育成したい
ワークの流れ
5日間をかけて、事業所から出される「課題」、加西市から出される「ミッション」に取り組みました。
“自分たちの目線”で考え、インターンとして加西市の未来を一緒につくりあげることにチャレンジし、仕上げにプレゼンテーションをして成果を発信。
最後はクラスで活動を振り返り、自分たちが感じた”働くことの価値や仕事の力”を確認しました。
使用した教材
ワークブック
- トゥワイス・プランのプログラムにはワークブックがあります。教師はワークブックに沿って進めていくだけで、スムーズに授業運営することが可能です。
- イメージをふくらませる読み物、ステップごとの学習のヒントなど、多角的なナビゲーションが学びをサポートします。
課題・ミッション
- 生徒が取り組む加西市・インターン先事業所の課題。ワークの中で2回、加西市・各事業所から提示されました。
※いま、実際に注力していることや解決したいことを事前にヒアリング。
映像教材
- 生徒が課題・ミッションに取り組むにあたり、次の2本の映像を制作しました
- プログラムの位置付けを理解するためのオリエンテーション映像
- 生徒に課題内容を発表するミッション発表映像
- 西村市長が出演する映像では、次の2点について話していただきました。
- 加西市が「ものづくりのまち」であること
- 市の教育方針について
課題・ミッション
加西市が政策として掲げている将来像を、地元企業・施設などとどのようにして実現できるのか、また加西市の特長はなにか、それらを知り、考えながら最終的に市への提言としてプレゼン。また、その前段階の下調べとして、事業所から出される「課題」に取り組みました。
事業所から出された「課題」 ⇒ 1日目・2日目で取り組み事業所に対しプレゼン
- チームで協力してフィールドワークを実施し、インターン先の企業や事業所についてのレポートを作成すること。
加西市から出された「ミッション」 ⇒ 3日目~5日目に取り組み市役所に対しプレゼン
- 加西市の“元気を10倍”にするために、インターン先の企業・事業所と力を合わせて「加西市・元気10倍プラン」を企画提案すること。
生徒によるプレゼン内容
生徒たちは、インターン先事業所と協力して、加西市から出された「ミッション」のプレゼンに臨みました。
- 椿本チエインの技術を使って、交差点の信号無視をなくすために、信号を感知して自動で減速するエンジンを提案。
- 黄、赤信号を感知し、少しずつ減速、信号近くでちょうど停止することで、安心安全を実現。
- 事故ゼロの元気で安心した暮らしにつながり、加西市=平和な市というイメージ向上につながる。
- QRコード決済アプリ「ねっぴ~Pay」の利用者、利用金額、加盟店を増やすために、「ねっぴ~ビンゴ」企画を提案。
- 利用者は24のミッションに楽しく取り組み、クリアするとビンゴのようにスタンプが押される仕組み。
- ゲーム要素を取り入れることで加西市の経済、人の動きを活発にする、時代に適応した活気ある新しいまちづくりを提案。
- 高齢者や小さい子供がいる親御さんに向けて春夏秋冬ツアーを提案。
- いこいの村はりまで桜をまわり、かぐや農園でいちご狩りを楽しむ春ツアー、鶉野飛行場で学習ができる夏ツアーなど、季節ごとに加西市を違う角度から楽しめるプラン。
- 四季の4回分、加西市の魅力に触れる機会となり、友達を誘ってリピートが続出し、加西市の発展につながる。
取り組みの事前・事後における自己評価の変化
加西市4校の全体をとおして、全般的なコンピテンシーの向上が見られました。
特に、課題対応能力、自己理解・自己管理能力の数値向上が大きく、概ね各校同様の傾向が確認できました。
取り組みの事前と事後で気づいたこと、達成できたこと
働くことは、しんどそうとか嫌だろうなと思っていましたが、大変だけど、誰かのためになるし、やりきったあとの達成感があってやりがいがある…と思いました。
メリハリをつけて行動することはできましたが、途中みんなの気持ちが一つじゃなくて空気が悪くなったときもありました。それでもそこから立て直して、コミニュケーションをとってしっかりできたので◯の自己評価です!
勉強よりも、楽しく遊びたいと思っていましたが、途中からは「働くことが楽しい」に変わっていました。
チャレンジとしてはあまり質問をすることはできなかったのですが、「3C」の創造でアイデアをみんなで考えることができました。コラボレイトも班みんなで協力できました。
インターン先事業所について理解したこと・メッセージ
インターンとしてハリマ紙器さんに行ってパッケージ作りの大切さを教えていただきました。ありがとうございました。
この体験を大事にして社会のためにこれからも何が大事なのかを少しでも考えていけたら良いと思いました。
神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センターで、強い牛~弱い牛まですべての牛が餌を食べられるように工夫してあることに驚きました。
短かったけどいろんなことを教えてもらってとても楽しかったです。ありがとうございました。
農林水産技術総合センターは、農家さんのことを第一に考えて新種の開発をしているんだということがわかりました。
株式会社千石では、アラジンの商品を主に作られています。
そのアラジンの商品が海外にまで伝わっていたり、加西市以外にも伝わっていることを知りました。
その上でこのアラジンの商品をもっと多くの人に知ってもらうために、私達はアラジンリゾート企画を作りました。
このアラジンリゾートが実現できるように、私達が協力して夢のある企画が叶うようにこれからも頑張ります。
もの(パワーモーラ)をつくる会社だというのを聞いてお邪魔させてもらいましたが、ものづくり以上にマナーやあいさつ、地元のクラブチームにも意識や思いがあって、自分がここで働くことになっても、きっと楽しくやっていけそうだなと思うことができました。
とてもアットホームな会社で、社員の方たちも本当に優しく温かな人ばかりでした。
本来ならば自分達学生から進んで聞きにいかないといけない場面でも、困っていたら優しく助けの手を差し伸べてくれたりして、とても感謝しています。
そして思ったことがあります。それは、「将来働くのならヨドプレさんのような温かな場所がいい」ということです。
実際にこの思いが実現するかはわかりませんが、私の未来の選択肢を一つ増やしてくれてありがとうございました。
ヨドプレさんに教えてもらったことを忘れず、これからも進んでいきたいです。
JTBさんは、旅行プランを考えるだけじゃなくて、オリンピックや万博などのガイドを務めていることがすごいと思いました。
ほかにもガイドブックを作成するなど、JTBさんは幅広い仕事をしていました。
椿本チエインの仕事を通じて、働くということは、仲間と協力して何かに挑戦することだと思いました。
振興課は、企業が元気になるように、経済が活発になるように日々考えているとわかりました。
また、計画の目的など、たくさんのことが知れました。色々な質問に対してわざわざ資料まで用意していただいて丁寧にこたえてくださって、ともわかりやすかったです。ありがとうございました。
「お仕事=推し事」。きてみて住んで課で貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
2022年度 加西市トライやるウィーク実施報告書
- 2022年度 加西市トライやるウィーク報告 TWICE PLAN地元企業インターンワーク (PDFファイル)
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