児童の実態
<長所>
- 本やタブレットを使って、意欲的に課題について調べることができる
<課題>
- 「食品ロス」の知識に個人差がある
目標
- アウトプットの想定・期待する児童の姿:
- 「食品ロス」の意味、現状、原因、課題を解決するための取り組みについて調べたことをロイロノートにまとめ、班のなかで交流することで日本の「食品ロス」の概要について知る
- 知識・技能:
- 「食品ロス」について知る
- 自分の調べたことをロイロノートにまとめることができる
- 思考・判断・表現:
- 自分の伝えたいことを図や写真を使って、工夫してまとめることができる
- 学びに向かう態度:
- 「食品ロス」について調べたことから、自分にできることを考えることができる
取り組み
- テーマ:「食品ロス」について調べよう! 栄養教諭・給食センターの調理員さんの願い
- シーズのサポーター:栄養教諭、給食センターの調理員さん、ICT支援員の古井さん
- 働きかける対象:九会小学校の全校生徒
共感
栄養教諭の藤森先生に加西市全体と九会小学校の残食の現状について、写真やデータをもとに詳しく教えていただいた。
調理員さんの「一生懸命に作っているので給食を残さず食べてほしい」という願いに子どもたちは胸を打たれ、九会小学校の残食を減らしたいという思いを持つことができた。
藤森先生の話を聞いて(児童の振り返り)
調理員さんが頑張ってつくっているのに、毎日たくさん残って悲しい思いをしていることがわかりました。1人2~3口分食べるだけで残食が減ると思いました。これからはクラスで声をかけたり、たくさんお代わりして給食が残らないようにしていきます。
問題定義
- 九会小学校の残食に関する問題点を明確にするため、グループに分かれて残食調べを実施
- 残食調べの結果をグループごとに全体に向けて発表し、明らかになった問題点を共有
残食調べの結果、明らかになった問題点
- 苦手なものがある
- しゃべっていて食べるのが遅い
- 両を増やす人が少なく、減らす人が多い
- よそられる量が少ない(一度もお皿にのらずに残る)
- 完食しようとしていない
- 九会小学校全体の完食ゼロ
- 同じ子がよく残す
- ご飯とみそ汁、牛乳がよく残る
発想
残食調べをして明らかになった問題点を解決するために、グループに分かれて残食ゼロにするための取り組みを考えた。
「いますぐできるか、時間がかかるか」「モノを作るか、イベントを行うか」という視点で考えさせることで、取り組み方法を具体的にイメージできるようにした。
プロトタイプ
- 「発想」で出された取り組みのなかで、どの案が実施可能かを全体で考えた
- 実施する取り組みが決まったら、グループに分かれて計画を立て、作成にとりかかった
- 完成した取り組みをお互いに試し、アドバイスをしあうことでさらに良い方法がないかグループで考え、追加・修正を行った
<実施が決まった取り組み>
- すごろく
- ひと口チャレンジの呼びかけ
- スクラッチを使った呼びかけ
- 残食ゼロでシールを貼り、完成したら国語の登場人物になる掲示
- QRコードがついてポスター など
テスト
- 「残食ゼロにしてほしい」という思いのもとに、完成した取り組みを対象とする学年・学級に紹介し、実施してもらった
- 完成した取り組みを藤森先生にプレゼンし、感想をいただいた
児童の振り返り
教師の振り返り
- 成果
- 栄養教諭や調理員さんの願いを知り、全校生徒に残食ゼロを啓発したことで、自分たちの残食が減り、さらに感謝の気持ちを持って給食を食べるようになった
- 食品ロスの学習をしたことで、児童の給食に対する意識が変容したことが、本単元の最大の成果だと考える
- 課題
- 本単元の内容は啓発活動が行いやすいため、どうしても「ポイントをためる」「シールを貼る」「ポスターを作る」といった内容が多くなった。もう少し、プログラミングの内容を入れてバラエティ豊かな取り組みが行えるようにできればよかった。そのためにも教師がスクラッチやクープ、3Dプリンタなどの知識を獲得し、児童が取り組み方法を考える際、上記の内容をアドバイスできるようにしたい。
校内研修資料
- R5年度 5年生 生活・総合的な学習の時間 「考えよう! フードロスゼロに向けてできること ~九会小学校の残食をゼロにしよう~」 (PDFファイル)
- 指導資料 (PDFファイル)
いずれも別ウィンドウが開きます