加西中学校2年生の西村羽叶さんが、自由研究として「クズのツルが巻き付く性質についての研究」を行いました。
研究動機・目的
クズのツルが、いたる所で伸びているのを見て、どんな物にも巻き付いていくのかを調べてみようと思ったから
実験器具・道具
- クズのツル
- ペットボトル
- 紙
- 割り箸・ガラス棒
- 懐中電灯
- アイスリング
- 香水
実験1
実験方法
巻き付く物の形や面積によって、ツルの向きが変わるか調べる。
- 壁の近くに置く
- 太さの違う四角柱と円柱を用意して、ツルの先から1cmずつ離して置く。
- 四角柱:小(7cm×7cm)ー AとB
- 四角柱:大(11cm×7cm)ー CとD
- 円柱 :小(直径 7cm)ー EとF
- 円柱 :大(直径 10cm)ー GとH
実験結果
- 壁の近くに置いたツルは、まず、壁に向かって伸び、壁から反り返っていった。
- 太さが7〜11cmでも、四角でも円でも巻き付かなかった。
実験1 追加実験
実験方法
さらに、直径を細くして、巻き付くか実験した。
- 直径2cmの紙の棒
- 割り箸の棒
実験結果
「実験1」で、どれもツルが巻き付かなかったので、さらに紙の棒を細くしたが巻き付かなかった。
しかし、割り箸にはよく巻き付いていた。
実験2
実験方法
ツルは、巻き付く物の性質を感知できるか調べる。
- 材質の違いを感知できるか、ガラス棒、割り箸、紙の棒でそれぞれ立てる。ー I
- 匂いを感知できるか。紙の棒に香水を吹き付けて置く。ー J
- 光を感知できるか。懐中電灯の光を当てる。ー K
- 温度を感知できるか。18°Cのアイスリングを上からぶら下げる。次に、下に置く。ー L
実験結果
①「I」の場合
- 割り箸 ⇒ よく巻き付いた
- ガラス棒 ⇒ 巻き付きかけた
- 紙の棒 ⇒ 巻き付かなかった
※写真は実験1日後のもの
②「J」の場合
- 香水を吹き付けた紙の棒 ⇒ ツルが近づかなかった
※写真は実験1日後のもの
③「K」「H」の場合
- 日光が当たらない場所では、懐中電灯に巻き付いた
- 日光が当たる場所では、懐中電灯に巻き付かず、日光の当たる方へ伸びた。
※写真は実験1日後のもの
④「L」の場合
- アイスリングを上から吊るすと、ツルは下へ下がっていった
- アイスリングを下に置くと上へ伸 びて、アイスリングから離れていった
考察
- 〈実験1〉〈追加実験〉の結果より、ツルは壁や太さがあるものには近づくが、巻き付け ないと反り返ることが分かった
- 〈実験1〉〈追加実験〉の結果よりツルは、割り箸の細さが巻き付きやすいことが分かった
- 〈実験2〉①の結果より、ガラスや紙の材質より木の材質に巻き付きやすいことから、 滑りやすい物より滑りにくい材質を選んで巻き付くことが分かった
- 〈実験2〉②の結果より、香りがあるとツルがその方向に伸びていかず成長もしなかっ たので、香りを感知し、成長が遅れることが分かった。
- 〈実験2〉③の結果より、日光でも人工の光でも、ツルはより強い光の方に伸びること が分かった
- 〈実験2〉④の結果より、温度を感知して、冷たいものから遠ざかろうとする傾向がある ことが分かった
まとめ・感想
クズのツルは、細いものに巻き付きやすく、材質が滑りにくい物に巻き付きやすかった。
光、温度、香りなどを感知しながら、伸びる方向を見つける性質があることが分かった。
クズのツルがいろいろな所に伸びて被害を及ぼしているので、これらの性質を利用して、被 害を抑えられたらいいと思いました。
作成資料
- クズのツルが巻き付く性質についての研究 (PDFファイル)
※別ウィンドウが開きます。
【参考文献】
- 『ワザあり!雑草の生き残り大作戦』 著者:保谷 彰彦 誠文堂新光社出版